チョコレートを待ちわびて

学生の頃は、「告白」なんて儀式があって

さぁ、今日からお付き合いが始まりますよ、

という区切りがしっかりくっきりあったもんだ。


それが、歳を重ねるにつれ

この手の儀式は行われなっていく。

すると、困ったことに

お付き合いの境界線が曖昧になって、

本気なのか、遊びなのか、

測りかねてしまうのだから始末が悪い。


キスをしたら恋人?

それとも、キスじゃ足りない?

今のふたりは友だち?

恋人までの距離はあとどのくらい?


どっちつかずの関係から踏み出せない意気地なしは、

年に一度の儀式に望みをかけてみたりする。

心も身体もシビレるような、

甘い、甘いチョコレート。

キミから届くだろうか、今年こそ。






朗読/山口龍海

ストーリー/いとうかよこ

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